「さらば宇宙戦艦ヤマト」の謎のフィルム

16mmで作られた音声入りのフィルムですが、ちょっと様子が変です。全9巻で作られているのは劇場用の35mmフィルムと同じ構成ですが、3枚目のフィルムがアップになっている写真をよく見てください。フィルムは細かくカットされていて、テープでつないだ後が(編集した後が)残っています。とするとオールラッシュ用のフィルムか?と推測されますが、私には力不足で理解不能です。ご存じの方、お知らせください。お願い致します。mini_140723_2036mini_140723_2037mini_140723_2037不朽の名作 映画「さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち~」ですが、まだまだ隠れた資料はたくさんあります。ただし、これらの資料は死蔵されるのみ。残念でなりません。

次回は、「西﨑義展氏の愛した映画」と題して、私がプライベートで聞いた映画の話題について書きます。プライベートといっても、本人がネットにアップしてくださいと言っていたものです。

 

「さらば宇宙戦艦ヤマト」の資料

映画を作って公開するためには「映倫」の審査が必要です。予告編3本、本編1本の「映倫審査終了証」です。予告編は本編の枝番となっているのがわかります。今となっては、とても大切な資料です。

余談ながら、映倫の名誉会長と記されている高橋誠一郎氏の詳細はこちらをご覧ください。また管理委員長の有光次郎氏の詳細はこちらをご覧ください。芸術に造詣の深いお二人でした。mini_140716_1909mini_140716_1909

続いて、西﨑義展氏直筆のプロデユーサ-メッセージです。自身の手で映画を作り自身の手でメッセージを発信するのは、なかなか難しいことです。

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続いては、謎のベールに包まれていた「さらば宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士達-」の制作費(見積書)です。さすがに企業秘密なので数字はお見せ出来ませんが、詳細な見積もり(当然か?)が出されていて、どのようなことが内部で行われていたのかを知る手がかりにもなります。漠然と「制作費○○○億円!」と言われてもピンときませんが、なるほど、この作業にはこれくらいの費用がかかるんだ、とか、1カットのおおよその金額、1つの作業についての金額などを知ることが出来る非常に興味深い資料です。

ところで「さらば」の総制作費っていくらか知ってましたか?※見積書のタイトルは「宇宙戦艦ヤマト」ですが日付を見て頂くと分かりますが「さらば」です。

mini_140716_1915 歴史的価値のあるこれらの資料は、死蔵されるのみ。残念でなりません。

 

 

 

謎の1週間

JAVNから発売されたシャロンストーンさん主演の「血と骨」。興行収入は残念な結果になりましたが、本人的には、大好きな船の上で彼女と良い結果を残せたそうです。で、その中のプライベートショット!と思わせるような写真があったので掲載します。が、全然プライベート写真ではなく、暑中見舞い(?)のはがきに使われていた写真でした。同人誌にも掲載されるほどメジャーな一枚です。一般的な印刷物にもなっていますし特に肖像権を気にする必要はないのですが、なんとなく目線(顔線?)が入ってしまいました。mini_140714_1327次は、「宇宙空母ブルーノア」の発表会?の写真ですが、よく見るとあぐらをかいています。詳細をご存じの方、お知らせください。mini_140714_1344

余談ながら、西﨑義展氏は記録を残すことに使命を感じていたようです。宇宙戦艦ヤマトがテレビ放映された時から取材を受けた週刊誌や新聞などの切り抜きは殆ど残っています。丁寧に切り抜かれてアルバムに保存されているのですが、このような本人の写真、イベントも含めその数は段ボールで20箱以上にのぼります。

まだまだ続きますよ。

 

宮川泰氏から、劇場公開記念、20世紀の白鳥の湖

宮川泰氏が作曲し、佐々木いさお氏が歌う「白い風」を宣伝していました。このジャケット、どうみてもパックランドみたいなんだけどどうなんでしょう。一度CD化されているようですから聞かれた方もいることでしょう。mini_140714_1315次は、西﨑義展氏が愛したホーマットイーストと赤坂七番館の販売用パンフレットです。B4版の豪華な作りです。mini_140714_1313次は、私たちの前に初めてスクリーンで公開された「宇宙戦艦ヤマト」の製作発表会の一部です。まだ誰も座っていない椅子と、松本零士氏も共同で会見する様子です。西﨑義展氏は、このように全ての会見やイベントの写真を保有しています。そしてその招待状です。mini_140714_1323 mini_140714_1323mini_140714_1325

 

本日の最後は、アニメの音楽だけでも立脚出来ると証明した不朽の名作「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」の製作発表と、輝かしいセールスを称えた表彰式、そしてアルバムを手に取りインタビューに答える西﨑義展氏です。「20世紀の白鳥の湖」が与えたインパクトはその後数十年経っても人々の心に深く刻み込まれています。mini_140714_1343

 

※全ての写真は、複製防止のため色味を変えてあります。

 

 

 

遅ればせながら「風立ちぬ」を見ました。

第一声を聞いた時「だ、誰だ?この声は?」と、ちょっとだけ驚きました。

「となりのトトロ」で糸井重里氏の声を聞いた時にも偉いスティック・リードだなぁと思ったのです。声優さんや、作品内容については賛否両論で議論は尽くされていると思いますのでそちらに譲るとして、率直な感想として、この声優さんの声に『味』を感じました。

朴訥(ぼくとつ)として抑えめ、普通の声優さんのイントネーションではありえない味付けです。宮崎氏は、スティッキィーなボイスに魅力を感じるのでしょう。私も段々と感化されてきました。私の次回作には,監督ではなく声優でお願いしようと妄想しています。恐らく「風立ちぬ」という作品の目指すものとして、あの声優さんの声が必要だったのでしょう。

さて、その独特な『味』という部分で、西﨑義展氏が面白いことを言っていました。といっても車の話しですが。西﨑義展氏が愛したクルマはアメ車でした。特に大きめの、いわゆるフルサイズと呼ばれるアメ車です。アメリカは道路が広く舗装が悪いので、サイズが大きく、ぼよんぼよんに揺れまくるサスペンションが売り物です。

私のそれまでのアメ車に対する認識は、「キロいくら?」と鉄の重さで勘定される?程度でした。しかし、大のアメ車好きの西﨑義展氏が長旅から帰って来て最初の購入したのは、リンカーン・シグネイチャでした。これがまたバカがつくほど大きいのです。標準的な日本車に比べ縦横で1.5倍はあります(カローラ比)。都内のコインパーキングに入れると横幅が広いのでドアを開ける隙間がなくなるほどです。一番奥まで入れても前輪より前の部分がはみ出ます。競馬いうと一馬身リード的な風情があります。その次に購入したのも2006年式リンカーン・タウンカーです。

ある日、やむを得ずトヨタのフラグシップであるレクサスLSに乗ることになりました。いわゆる優等生的な車で、ハンドルを切ればその通り曲がるし、サスペンションも段差を綺麗に吸収してサラっと走り抜けてしまいます。装備も至れり尽くせりで、育ちの良いご学友と図書室で本を読んでいるような感じです。

対して、リンカーン・タウンカーは、違います。日本では1000万円を越えるプライスタグを付けていますが、細かい事は気にしている様子はありません。適当にドライブする4速オートマ、ドアミラーぐらい自分でたたんでください、ガソリンは1回の給油で1万円近く入りますが、少し走ったらすぐに給油してください、エアコンの温度表示が華氏と摂氏をいったりきたりしますが気にしないでください、あまり細かい運転をせずダイナミックに走ってください、横幅が2m近くあって左ハンドルなので、反対側車線を見るのが至難の業って感じで、何かとコツを掴まないと日本の道路事情には適応出来ない車でしたが、まぁ慣れてくればこちらのモノ。狭い道でも、小さなコインパーキングでも、そこでもすいすい走れるようになりました。車の見た目が良い方ではなかったので,(品行方正な僕を捕まえて)「どこの組ぢゃ?」って聞かれたことがありました。

レクサスLSを乗っている時に、西﨑義展氏がポツリと「この車は『味』がないなぁ」と一言漏らされたのを今でも鮮明に覚えています。練馬から自宅への帰り道でした。

作品のスパイスとして『味』つけは必要ですよね。

 

※リンカーンは、本当に大きな車で、前の席には中央席の分としてもシートベルトがついていました。大人3人が横一列に座っても窮屈ではありませんでした。日本では、一度、ホンダがエディックスという名前で商品化しましたが中央に乗せるのは子供という設定でした。

※リンカーン・タウンカーは、こんな車でした。こちらをクリック

さらば貴重な資料たち

さらば宇宙戦艦ヤマトの清刷り(きよずり)です。この清刷りを使えば当時のポスターや書籍のタイトル文字が再現可能になります。※清刷りとは、ロゴなどの色や形の標準となる見本を、平滑白い紙印刷したものを指します。

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次に本家「宇宙戦艦ヤマト」のタイトル文字の清刷りです。よく見て頂くと分かりますが、黒マジックで塗られていることがわかります。「宇宙戦艦」の文字も手書きです。写植ではありません。

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次は、さらば宇宙戦艦ヤマトの製作発表記者会見の招待状です。5月24日(水)午後1時半から執り行われました。

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そして、完成後の特別披露試写会(今でいうプレミアム試写会かな?)のチケットです。このチケットは印刷サンプルで色が少し派手目なので実物は色を抑えるということが裏側に書かれています。

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今日は、これまで!

 

貴重な(退蔵される)資料(4)

『我が心の不滅の艦 宇宙戦艦ヤマト胎動編』にて、宇宙戦艦ヤマトが受賞した輝かしい実績として一部の楯が紹介されていました。しかし、実際に受け取った盾や賞状は他にもたくさんあります。

さらに(その一部ですが)紹介します。その4。

_さらば_朝陽ソノラマ_79_4 (2) _さらば_朝陽ソノラマ_79_4 (1) _さらやま54_1_23 _さらやま54_1_23(2)

貴重な(退蔵される)資料(3)

『我が心の不滅の艦 宇宙戦艦ヤマト胎動編』にて、宇宙戦艦ヤマトが受賞した輝かしい実績として一部の楯が紹介されていました。しかし、実際に受け取った盾や賞状は他にもたくさんあります。

さらに(その一部ですが)紹介します。その2。

_VAP _オールナイトニッポンドラマ_55_7_28 _ゴールデングローブ (2) _ゴールデン賞レコード部門 (1) _ゴールデン賞レコード部門 (2)

貴重な資料の一部(2)

『我が心の不滅の艦 宇宙戦艦ヤマト胎動編』にて、宇宙戦艦ヤマトが受賞した輝かしい実績として一部の楯が紹介されていました。しかし、実際に受け取った盾や賞状は他にもたくさんあります。

さらに(その一部ですが)紹介します。

@東急レクレーション_53_4_27 _4時間生ドラマニッポン放送 _オリコン (2) _オリコン (1)

貴重な資料の一部(1)

昭和49年に放映された「宇宙戦艦ヤマト」のオープニング絵コンテの一部をお見せ致します。

権利の関係上、宇宙戦艦ヤマトそのものが描かれたところはお見せ出来ません。あしからずご了承ください。

右が松本零士氏が描かれたコンテ。左が決定稿。右が松本零士氏の描かれたOP用絵コンテで、円形のレーダーが反応して、宇宙戦艦ヤマトが登場するように描かれています。何種類かの候補が描かれています。左側は決定稿です。決定稿も同じようにレーダーに反応してから宇宙戦艦ヤマトが登場します。つまり松本案、決定稿のどちらを見ても、赤茶けた土の中から姿を現すシーンは描かれていません。

そして、松本零士氏のコンテを何枚かめくっていくと驚愕の事実が!なんと!1枚だけ煙草の灰で「焦げ穴」が出来ているではありませんか!あれほどスタジオは禁煙だと言ったのに!という感じで、このコンテからは今でも煙草の香りがします。

あ、たばこだ!

余談ですが、第1作目、「さらば」の絵コンテ用紙は黄色です。皆さんが、書籍や映像特典として見ている絵コンテはコピーなので白黒になっています(当時のコピー機の性能から鉛筆の線はボールペンのようになってしまっています)。鉛筆で描かれたコンテには、クリエイターの息づかいが感じられます。

これほど歴史的に貴重な資料を、皆さんにお見せ出来ないこと、本当に悔しく思います。残念でなりません。たくさんのクリエイターの方達が書き残された貴重な資料が死蔵される事態になることは、世界的なレベルで後進のクリエイターや今後生み出される作品の損失になることは間違いがありません。

たった一人の私利私欲のための判断が及ぼす世界的損失を悔い改めて欲しいと願ってやみません。