2014年 表紙

 表紙のヤマトは、実物大です。宇宙戦艦ヤマトの実物大ではなく、セル画に描かれたヤマトをそのままのサイズで撮影しています。『永遠に』のポスターで銀河をバックに使われていたヤマト(その後Ⅲでもつかわれていました)と、二重銀河を抜けたあとの白色銀河をセットにしています。恐らくこの組み合わせは初めてではないかと思います。最新のデジタル機器での撮影ですので鮮明であり細かい描写が再現されています。背景の白色銀河は、Proud of YAMATO Visula BOOK(001-044,045)に見開きで収録はしましたが、A4サイズという中で縮小しなくては収まらない大きさでした。今回は、トリミングこそしてありますが実物大での収録となりました。
 今回のカレンダーの周囲は、中央の黒とはちょっと違った艶のある黒です。中央の黒はスミ一色(色気のない黒)ですが、周囲の黒は「リッチブラック」と呼ばれる高級感溢れる艶で光っています。
 このカレンダーは、もともと「リビングに飾れるポスター」をテーマに2013年5月から製作を始めました。当初はポスターということでB2版のサイズでデザインを始めていますがカレンダー用にレイアウトを変更しています。「Proud of YAMATO Visula BOOK BL」の購入者特典でもいいかな?という考えもあり進めていました。
 77年に劇場公開されてから宇宙戦艦ヤマトは作品を象徴するポスターが作られてきました。それをフレームに入れて飾ってもいいのですが、すでに手元にない方のために新しい宇宙戦艦ヤマトのポスターを作ってみたらどうだろうか?というところからのスタートでした。大人になった当時からのファンが、リビングに飾っても違和感のないおしゃれなデザインで、しかも名場面がちりばめられている、そのようなタイプのポスターが必要なのではないでしょうか。リビングにさりげなく飾ってあるといった感じです。
 使用する絵を選定するために何度も打ち合わせを行いました。この経過については、後日、書ける場所があったら書きますが非常に興味深い内容となっています。紆余曲折を経ているうちに時間は流れ、部屋の壁に貼られたB2サイズの7種類のポスター(できあがりの具合を見るためにサンプルを作っています)を眺めていると時は既に9月でした。カレンダーも作らないといけない時期です。おかげさまで2013年のカレンダーは好評を頂き、綺麗にファイルにしまっているという声も届きましたので今年も作ることにしました。
 カレンダーのサイズ、デザインを考える段になって、ふと顔を上げると目の前には7種類のポスターがあります。
 これを利用すれば、まさに「アートフレーム・カレンダー」が出来上がります。つまり、カレンダーとして使い終わったら、指定したサイズにフレームのマットを切っていただければ、そのままポスターとなるようにデザインされているということになります(当然カレンダーの数字は消えるようなっています)。
 
 では、表紙絵の続きを説明します。メインの絵は「永遠に」がベースになります。
 周囲に使われている絵は、左上から反時計回りで「完結編」出航するヤマトの後ろ姿、自沈するヤマト、「さらば」海面から発進するヤマトの後ろ姿、第一作目ガミラス星の海底で波動砲を発射した後のヤマト、「Ⅲ」アルプス秘密ドックのヤマト、「さらば」ポスター用のヤマト後方、「永遠に」イカルスに眠るヤマトです。
 右上の左から時計回りで、「さらば」英雄の丘で全員敬礼、「Ⅲ」願いを込める雪、古代、土門、「2」瀕死の島を見守るテレサ、「完結編」クイーン・オブ・アクエリアス、「永遠に」宇宙空間で古代たちに別れを告げるサーシャ、第一作目で守を見つめるスターシャ、「永遠に」アルフォン少尉を見つめる雪、「さらば」祈りのテレサ、「Ⅲ」ルダ王女、となっています。歴代の女王が並ぶ右サイドと、ヤマトの戦歴が見られる左サイド。どちらも思わず見入ってしまう絵が目白押しです。
 21世紀に歴代宇宙戦艦ヤマトの『絵」を使って新しいコンセプトのカレンダーが登場です。

 なお、表紙には、2013年の11月と12月のカレンダーがついています。

11月24日(日)、25日(月)資料整理の詳細

11月24日(日)、25日(月)資料整理を行います。

場所 千葉県です。
 当日、こちらで指定した駅まで迎えにあがります。その後、車で移動となります。
 荷物は、レンタルスペースに運び込み、そこで作業をお願い致します。

時間 午前9時から開始致します。
 2時間ごとに休憩を入れます。午後6時までに終了しますが、有志の方は午後9時までお願い致します。二日間にわたってお願いできる方には、宿泊施設(ラブホテルでないシティーホテル)を手配致します。宿泊費の半額を負担致します。

参加方法 まず、このメッセージの下部にある申し込みフォームから参加を申し込む旨のメールをお願い致します。そこに氏名(名字のみ)、年齢(大まかで)、性別、都道府県までの住所(絶対に市町村名、番地まで書かないでください)を書いてください。折り返し、必要事項を書いて返信致します。双方合意の上、整理、片付けをお願い致します。
 予定数を超えての応募があった場合、抽選とさせていただきます。あしからずご了承ください。

持ち物 昼食、夕食は用意します。レンタルスペース付近の焼き肉屋、寿司店(回転しない)、イタリアンレストラン、中華レストラン(ラーメン屋ではない)、カラオケハウス(大型チェーン店)を考えています。集まったメンバーの多数決で選びます。食事と食事の間に簡単な軽食を用意しますが、不足だと思われる方はご自身でご用意ください(ただし300円まで)。
 軍手(ゴム付きが良い)、当日寒いかも知れませんので寒くない服装でお願い致します。

そのほか 当日、怪我などをされた場合、レンタルスペース付近の総合病院へお連れ致しますが、治療費などはご自身で負担をお願い致します。
 カメラやレコーダー等の記録できる機器の持ち込みは版権のある資料ですので禁止させていただきます。
 多少、重さのある物を持ち運びします。膝や腰を痛めている方は、十分な治療を施して頂き安全が確認された上での参加をお願い致します。
 整理、片付けを快適に行って頂くために万全の準備をいたしますが、至らない点があった場合はご容赦願います。

以上となります。
よろしくお願い致します。

   

12月 希望のある未来へ

朝陽の中へ上昇するヤマト。
映画では、第三艦橋まで映ったところでカットされていますが(絵コンテでも第三艦橋をアップにするように指示)、実際は艦尾までしっかりと描き込まれていました。このアングルからみるヤマトは、雄大です。
新年を迎える12月にあたり、明るい希望のある年になって欲しいという願いを込めて、ヤマトの力強い発進シーンをセレクトしました。
この宇宙戦艦ヤマトカレンダー2013も、とうとうフィナーレを迎えました。最後までご利用頂きまして、ありがとうございます。
1974年から放映が始まった宇宙戦艦ヤマトの物語を順番にご覧頂き、それぞれの作品を思い起こし楽しんで頂ければ、これほどうれしいことはありません。
当カレンダーをお買い上げ頂いた方々にお礼を申し上げます。
また、制作を手伝ってくださった方々に感謝いたします。

最終ページ
2013年に起きる事柄とヤマトの上映(放映)日を記しました。
おおよそ、ここに書いたとおり世界は動いたようです。消費税率引き上げの法案が可決されることは想定外でしたが。
古代と雪が向き合うツーショットは、いろいろな書籍で使われていました。やはりヤマトは、この二人の物語です。

11月24日(日)、25日(月)資料整理を行います

11月24日(日)、25日(月)両日とも午前10時より「宇宙空母ブルーノア」および「海のトリトン」「わんさくん」の資料整理および片付けを行います。
作品に興味のある方は、是非ともご協力をお願いいたします。
詳しい参加方法や、場所等は、日を改めて当ブログ上でご案内いたします。
なお、資料整理という作業の性質上、当日の交通費、作業に対する対価をお支払いすることはできませんので悪しからずご了承ください。

11月 全宇宙の命運をかけて

シド・ミード氏がデザインした第18代YAMATOは、優雅な曲線と力強い直線をもった見事なフォルムをしています。そして氏の作り上げた世界観は、まだ見ぬ未来を信じさせるのに十分でした。まずはメインの絵に全体像を乗せました。それまで馴染んできた宇宙戦艦ヤマトとは、似て非なるディテールを楽しんでください。
「それを制する者 宇宙を制する」超科学文明を持った異星人の遺跡を巡って地球とセイレーンの争いは24世紀から25世紀まで続き銀河100年戦争と呼ばれました。左のサブの絵は、銀河100年戦争の様子を描いたワンカットですが、ほんの数秒(2秒半)の為にカット袋(セルと動画とタイムシートが入ってる)が3cmを超える厚さになっています。これだけのセル画を大量に駆使したハイクォリテーのカットが延々と続くのですから、制作費がいくらあっても追いつきませんね(笑)。しかも、大判セル画も多用されていて保管にも骨が折れます。
 (大判のセル画を多用したシーンも、ほんの数秒で過ぎ去っていきます。劇場公開版クォリティーです)
 下段の絵で特に印象に残るのは、ナブとマーシィが銀河中心部の丘の上で、溢れんばかりの星々を眺めながら語り合うシーンでしょう。右端の絵の場所には、谷に沈んでいた第17代YAMATOを夕陽が照らす絵を用意していましたが、使えず残念でした。

 ナブとマーシィは、物語の最後でブローネ皇帝と死闘を繰り広げ、古代異星人の残した謎の言葉の正体を突き止めます。
 しかし、奮闘むなしく‥‥‥‥。
 是非、最後まで見せて欲しかった作品です。

 2520の製作も復活して欲しいと願ってやみません。

 

10月 アクエリアスとの邂逅

アクエリアスには宇宙の神秘を醸し出す不思議な輝きがあって、それは宇宙のぼんぼりのようだと西﨑氏は語っていました。
この絵も劇場用のフィルムから直接スキャンしています。ですから、キラキラと光り輝くリングも再現できています。綺麗な輝きですね。コロムビアレコードの「ファイナルへ向けての序曲」で特典としてつけられたアクエリアスの大判もあるのですが、そちらよりも、この特殊効果満載の1枚の方が、魅力的に映りました。そして、スクリーンでは見ることのできない、5月のテレサと同じように半端なく広いエリアが収録されていて驚かされます。DVDやブルーレイで確認していただくと実感できると思います。宇宙戦艦ヤマトのフィルムは、何度かファンの元へ特典という形で渡っていますが、それを拡大してみるということはなかなかできませんでした。
このシーンは、アクエリアスの中心部がぼんやりと輝いていますので、アクエリアスを撮影し、その上に、リングなどのオプチカル合成をしているので、線がどんどん甘くなっています(ぼやけてしまいます)。けれども、そのオプチカル、スキャニメーションによる合成を経て、当時のアニメーションとしては最高の絵を作っていると思います。
待ち受けるヤマトの前にゆっくりと姿を現すアクエリアスの姿は、完結編の見所の一つでしょう。

9月。コスモタイガー突入

「ヤマトよ永遠に」で唯一のコスモタイガーが活躍するシーンとなっています。「さらば~」の時のようにもう少し活躍するシーンがあれば良かったのですが、残念です。二重銀河を抜けて白色銀河に姿を現したヤマトの護衛にコスモタイガーが発進しても良かったですよね(尺が足りなくなるのでしょうけど)。
宇宙戦艦ヤマトは、絵、ドラマ、音楽の3つがそろって成り立つ作品です。特に、このシーンでの音楽、そしてアニメーションとしての絵は他作品の追随を許さないほどの完成度だと思っています。中間補給基地では、金田氏の独壇場と言っても過言でないほど、派手にコスモタイガーが飛び回ります。ですから、一連のフィルムを見ていてセル撮やイメージボードから絵を使うよりも、フィルムからエフェクトの入ったカットを使った方がビジュアル的に楽しめるのではないかと判断しました。流れゆくブルーの透過光。コスモタイガーの躍動。動きが感じられるカットです。
合わせて下段には、スターシャの元に帰るサーシャもエフェクトが入るラストシーンを使用しました。ブルーの効果が美しいですね。
フィルムから選りすぐった絵を満載した本も作りたいと思うほどです。

8月。諭す

古代は、語ります。
「生きぬくことは時として死を選ぶより辛いこともある。だが命ある限り生きて生きて生きぬこともまた人間の道じゃないのか」熱い古代の想い。信頼できる部下として、苦楽をともにした戦友として説得を試みる古代。
 残るのは自分一人でいい。
 この台詞を読むと、富山氏の声が自然と聞こえてきます。
 ビデオやレーザーディスク、DVDを何度見直したことでしょうか。
 島、南部、相原、太田の立ち位置までがしっかり記憶されています。
 「さらば~」では、外すことのできない印象深い場面で、ヤマトファンなら永遠に忘れられない場面ではないかと思います。
 このシーンと表紙の見上げる艦橋の2枚からこのカレンダーの企画はスタートしました。カレンダーのレイアウト(デザインを決めるときのアイディアスケッチ)は、この絵をはめ込んで作りました。
 下段に配置してある絵がこの月にないのは、この絵をトリミングすることなく使いたかったからです。

21世紀の宇宙戦艦ヤマト

 21世紀のと書いたけれど、「宇宙戦艦ヤマト2199」のことではなく20世紀(と書くとたいそう古そうだけど、つい最近のこと)に終わった完結編までの話し。
 映画やポスターを作るための素材がたくさんあって、将来のために全てデジタル化している。デジタル化というと格好いいけど、地味にカメラを使ったりスキャナーを使ったりと手を変え品を変えで保存(HDD,DVD、BR)に取り組んでいる。

 TV「宇宙戦艦ヤマト2」や「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」で使い回された青い地球があって(どの地球かといえば、新立ちのエンディングでスタッフロールが上がってくるときの背景に置かれている地球のこと)この地球が直径15cm程度で描かれているのだが、ちょっと遊び心でフォトショップを通して青く光っているようにレイヤースタイルで、光彩を付けてみた。これが見違えるように透き通った地球=宝石のように輝いて見えたので、気をよくして、後方パースのヤマトを上にのせてみた。
青い地球に生還するヤマトができあがった。
漆黒の宇宙空間と相まって神々しいまでに地球とヤマトが輝いている。サファイアのように美しいブルー(手前味噌入り)
少しのエフェクトを加えることで、当時のヤマトが「現代」のモニターの中に21世紀のヤマトとして、出現するとは正直驚いた。
全く見劣りしないのだ。
今ここで、その絵をアップしたいのだが、著作権によって保護されているので残念。

21世紀になって、74年に見た古代や雪の、あの姿、あの声でもう一度活躍する姿を見てみたいと思った。
せっかくデジタル技術が発達したんだから、やれそうな気がする。
(Zガンダムの時は、少し早すぎたようだ)
それを望んでいたのは、私だけではなかったのだが。

7月。雪の見る光景

7月。雪の見る光景
サブの絵と下段の絵は、都市帝国戦がメインとなっています。なぜデスラー戦の雪をここに配置したかといえば、デスラー戦以後の雪は、痛みに耐える、力ない、作り笑顔の絵しかないのです(ここまでの微妙な表情の描き分けに敬服いたします!)。佐渡先生が緩和ケアをしなかったのかできなかったのかはわかりませんが、術後で痛みに耐えているシーン、血の気の引いた表情で第一艦橋にくるシーン、被弾の衝撃で転がり落ちるシーン、古代の手を握り息絶え絶えに励ますシーン等々でとてもカレンダーにはできませんでした。カレンダーとは少なくともそれを見ることによって明るい気持ち、落ち着いた気持ちになれるものでなくてはなりません。そこで凛と振る舞う雪のベストショットをここに配置したわけです。
「私が行かなくて誰が負傷者の~」という台詞に込められた秘めた思い。グッと来るものがあります。
元々古代のプランの中には雪の乗艦はなく、負傷者が出た場合は佐渡先生に任せるしか頭になかったようです。行き当たりばったりですね。私の持論は、ヤマトの次期艦長は雪です。明確に先を見通す力を持ち、的確な分析能力に裏付けされた実行力。多くのクルーをまとめる力を持ち合わせているのは、雪だけです。パート1からの数々のエピソードを思い返してみれば、思い当たる節が山ほどあることでしょう。後先考えずに飛び出す古代には、一抹の不安を覚えます。
サブは、波動砲命中を喜ぶ南部と相原です。実際の映像では透過光が右上から入っていました。お二人とも本当にうれしそうです。そして生きて帰ったのもこのお二人です。
下段のしたり顔のズォーダー大帝からは、台詞が浮かんできますね。サーベラーについては、ごめんなさい。