94年製作発表 復活篇より
それまでの制作、デザインスタッフとは違ったメンバーによって始動した「新・宇宙戦艦ヤマト 復活篇」。『ヤマト・我が心の不滅の艦(ふね)-宇宙戦艦ヤマト胎動篇-』(94年2月21日発売)で公開された新しいヤマトの内部構造の紹介で使われました。従来の波動エンジンとは明らかに違った仕上がりに「新しいヤマト」を予感させてくれました。完結編までとは違った詳細な描き込みに胸を躍らせてビデオをみました。
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94ページ 艦載機射出口
完結編から
この絵を見たときには、いやに出口が狭く感じられたので、ひょっとしたらイメージボードかなと思いましたが、カットナンバーも書かれていたので実際に本編を確認したところ、この狭い隙間からコスモタイガーが発進していきました。完結編の艦内は、堅そうな青を含んだ黒(群青色)なので他作品とは区別が付けやすいです。沖田艦長を残し全員が退艦するシーンで使われています。
93ページ 第一主砲内部
完結編から
「ヤマト一敗!地に伏す」屈辱的な大敗を喫しながらも自動航行で地球へ帰還する艦内を映した時に使われました。砲術科員達が倒れていました。他にも何枚か砲塔内部の絵があります。色使いとレイアウトのわかりやすいものをセレクトしました。
今回は、砲塔内部の質感とアングルをお楽しみください。見るからに堅牢で、狙った獲物は逃がさない的な精緻さが感じられます。
92ページ 第三艦橋
映画「ヤマトよ永遠に」から
これは、もう限界に挑戦したとしかいいようのない芸術作品です。
微妙な上下対称のデザインの徹底的な描き込みと塗り込みには脱帽させられます。しかも、イメージボードとして描かれてはいます。本編では使われることがありません。
本編では、古代達が足を踏み込み、パッと見回しておしまいという儚さです。
是非とも原寸大で見て頂きたい作品です。
豪華本231ページ SY-3-22として紹介されていますが、色味は本書の方が忠実に感じます。
90、91ページ 相原を捜す古代と会うユキ
TV「宇宙戦艦ヤマト」から
レイアウトの段階では、島も一緒に描かれていましたが、おそらくフレームの関係で古代のみの作画となったと思われます。実際に画面で見ても古代しか見えていません。
第19話「宇宙の望郷!!母の涙は我が涙」というタイトルにしても、エピソードにしてもほかのエピソードとは違った雰囲気(文学的な)を持っていて個人的に大好きです。
「Proud of YAMATO」シリーズ(恒例)のサービスカットとなります。
もともとネグリジェが行方不明のセットです。描いてあるようで描いてない胸のラインが問題になりそうでしたので(未成年者が閲覧する可能性もあったので)、いわゆる「ギリギリの選択」で「黒墨」を入れました。(ただし「さらば」のテレサはR指定もない劇場公開版だったのでガンガンいけそうです)
第1作目のセル画や背景画は当時からの熱心なファンが所有されているので、もしもネグリジェだけを「お宝」としてお持ちの方は連絡をお願いいたします。一度、元の鞘に収めてみませんか?
89ページ スターシャ
このスターシャを見たときの衝撃は未だに忘れられません。モノトーンだと思われていた宇宙が水彩画で滲んでいてホントにロマンチック!スターシャがちょっと艶っぽい!。ジャケット自体が芸術的な出来上がり。「20世紀の白鳥の湖」なんて書いてあるし!ライナーノートは全然アニメしてなくて大人の雰囲気。このライナーノートは、黒だからポテトチップスを食べた手で触ると油がついて光ってしまうし(「Proud of YAMATO Visual Book」のカバーも指紋がベタベタ付きます!)。
私は、このレコードを5枚買いました。レコードを壁に掛けるための専用のフレームを買ってきて部屋に飾っておいたのを思い出します。レコードは、聞きすぎると溝がすり減ってしまいますから、遠い将来もいい音で聞けるようにと大切に保管していました。それから10年後にCDという規格が生まれましたが、やはりジャケットが小さいためか、初めてこのスターシャを見たときのような興奮は覚えませんでした。(レコードは、いまでも聞いています。針を降ろすまでの瞬間が何事にも代え難い行為です。冬は、カートリッジの可動部分が少々硬くなるので、気持ち針圧を上げたりするのもちょっとしたテクです)
「しーきゅーななまるまるいち」「しーえすななまるいちいち」とレコード番号を覚えたのも、この2枚が初めてです。
このスターシャ+ヤマトのジャケットに胸がキュンとした人は多いのではないかと思います。
今回は、描いてある隅から隅まで全部を見ることが出来ると思います。「生きているといいことがあるな」と思わせる至高の一枚だと思います。
ヤマトが描かれていないのも驚きですよね。
余談ながら、ヤマトネタをもう一つ。「永遠に」でポスターとなった、ほぼ正面から見たヤマトですが、セルが2枚になっています。めくってみると、尾翼や主翼、その他ハリネズミのようにとがっている部分が描かれていなくて、なんとも寂しいヤマトになっています。後から足してるんですね。
88ページ サーシャ
悲劇のヒロイン、サーシャ。父である守の死を知らずに健気に古代と語り合うシーンも良いのですが、運命を受け入れて偽の地球に残るこのシーンも、サーシャの存在感を示す1枚として重要だと思います。
その他、印象に残るシーンは、ラストでスターシャの胸に帰っていくシーンですが、宇宙にセル画を載せただけではとても味気ないものです。そこで透過光と特殊処理の施されたフィルムから掲載しようと考えましたが、35mmフィルムの撮影済みフィルムは使わないという本書の趣旨に反してしまうのであきらめました。(透過光を利用したシーンで印象的に残るシーンは、今後何らかの形で本に出来ればと考えています。例えば「さらば~」では、テレサのシーンでの透過光が効果を上げていましたね。「永遠に」のラストのサーシャとスターシャも鮮やかでした。それにLDボックスでのジャケット絵も透過光が指定されていたことも忘れてはいけません。透過光はヤマトの代名詞ですからね)
サーシャは、この1作のためだけに登場した(聖総統やサーダもそうですが)主人公の存在も脅かすほどの魅力的な女性でした。ヤマトシリーズの女性を担当することとなった高橋信也氏の代表作ともいえるキャラクターでしょう。
87ページ アルフォン少尉
「まだ、動いてはいけない」の第一声が魅力的でした。
格好良かったです。野沢さんの声が、これほどマッチする、いや野沢さんの声をイメージして作ったキャラクターとしか思えないほどマッチしていました。解説にも書きましたが、このカットは2回使われていて、最初はピンぼけから始まっていました。ピントが合ってからマジマジと見ると女性にはたまらない(平成の流行語でいう)イケメンだし。
肌の色がガミラスの青、白色彗星帝国の緑とピンクだったこともあり、ビミョーな色になっていますよね。紫でもないし、グレーでもない。青でもない。髪の毛は、ヤマトシリーズ共通の金髪であることは、見逃せません。
「ヤマトよ永遠に」も、公開当時の秋に26分割して、細部のドラマを作って見せてもらいたかったです。パルチザンの戦い、古代とサーシャの愛の行方、そして、ユキとアルフォン少尉のラブロマンス。(過日、本の制作を手伝いに来てくれたヤマトを知らない女性に「永遠に」のストーリーを掻い摘んで説明したら、昼ドラマよりもドロドロした内容であることに驚いていました。地球に残された古代の婚約者ユキは、敵の将校に捕まってしまい愛を告白され、人類のために愛を受け入れるか迷う。地球を離れた古代は、同乗した姪っ子に愛を告白され苦悩する。艦長は戦闘中に負傷し感情的になった古代は、敵の本星を波動砲で撃とうとするが姪っ子が残っていて撃つことが出来ない。そのころ、地球では、アルフォン少尉とユキが敵味方に分かれて対峙してしまう。さて、どうする?という内容は、まさに昼ドラ)
「永遠に」の代表として、この絵を1枚セレクトしました。「永遠に」から背景美術も撮影技術も格段に向上し完結編で昇華していくわけですが、ヤマトを「さらば~」までとするファンとは、違った方向でも楽しめるので微妙なところです。「永遠に」への橋渡しとなったヤマト2がなければ、2009年の「復活篇」すらなかったのですから不思議なものです。
86ページ 白色彗星帝国見参!
この絵こそ、まさに「さらば宇宙戦艦ヤマト」!ですね。堂々たるズォーダー大帝に、宇宙で最強の帝王としての風格を感じます。これだけの強敵を前にヤマトは、古代はどうやって闘うのだろう?と思いめぐらせたものです。
あの夏の日、徐々に露出が増えてくる「さらば」の情報。それが「絵」であったり「文字」であったりで心躍らされたものです。
作品を表現するキービジュアルは、アニメ雑誌などに幾度となく掲載されたので採用しない方針の「Proud of YAMATO Visual BOOK」ですが、この絵だけは別格です。湖川氏の力の入ったデッサン力に目を奪われます。
また、背後に飛翔している空母や艦載機は、蒼い宇宙空間に写真を切り抜いて貼り付けてあります。恐らくセル画に描かれたものを写真用のカメラで撮影し、縮小プリントして(サイズから縮小サイズを計算して!)貼り付けています。ここは、カメラマンや現像スタッフ(?)の腕の見せ所です。
また背景の宇宙は、水色に近いほど明るく、雑誌などで見ていた絵が頭の中に残っているので違和感を持ちます。ロードショー別冊では、本書よりも更に露出を落として暗く撮影しています。ズォーダー大帝のコスチュームが背景の真っ暗な宇宙に溶け込んでいると思います。恐らく、敵の不気味さを出すために「暗くしろ」と指示を出したのではないかと思います。
PCが発達している現代では、例えばフォトショップやイラストレーターなら、バウンディングボックスがキャラクターに付いていますから、四隅のどこかをドラッグすれば、画面の中で拡大、縮小が自由自在です。
当時のアナログ全回だった頃の苦労が偲ばれます。
84,85ページ デスラー総統
「さらば~」において、デスラー総統の担った役割は決して小さくはありません。
「あのデスラー総統が生きていた!」というだけで驚き、ワクワクして見ましたが、決して(この作品では)主人公にはなれない存在でした。しかしながら、最後に放った一言、悟りを開き改心(?)したかのような行動に「死なないでくれぇ!」と涙したのは私だけではなかったでしょう。
このエピソードが元でデスラーの新しい方向性が確立されます。「宇宙戦艦ヤマト2」を経て、新たなる旅立ちへと昇華(宇宙戦艦ヤマトⅢ、デスラーズ・ウォーは別として)します。西崎氏は「新たなる旅立ち」を「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち デスラー編」と呼んでいました。この件については、後日、発表の機会を見つけます。
また、デスラーの登場は、この「さらば~」の世界観をより深いモノにしたと思います。デスラーとの一戦で深く傷ついたヤマトとユキ。しかし、デスラーの今際の言葉が難攻不落と思わせた白色彗星帝国戦への糸口へと導くのです。今回は、デスラー総統の勝利を確信して母艦を進める凛とした表情。腹心の部下を失って落胆する表情。正にデスラーの生き様を如実に表す2枚をセレクトしました。
実は、タラン将軍の超格好いいショットもありますので、次回(「Proud of YAMATO Visual Book BL」をお楽しみにしていてください。