てちとねる

 平手さんのブログを読んでいたら、長濱ねるさんの記事が「ブブカ」に掲載されていて読んでいたら涙が出たと書かれていたので、気になったので読んでみることにした。

 文責は宮田英一郎氏。
 100ページから3ページを割いてインタビューに答えている。小見出しは「17歳の地図」で、尾崎豊を完全に意識した編集になっている。(インタビュー中、尾崎豊を聞いていたと答えていたので解らないでもないが)しかも冒頭は「青春」の2文字。
文中、笑ってしまったのが「青春ですね」と何度か問いかけているがねるさんは、それに答えていないこと。

 さて、インタビューは『ひらがなけやき』のレッスンについてがとっかかりだったが、そこから振り付けについて答えてから彼女の独壇場となる。平手と2人で早朝のジョギングをしたこと、振り付けの練習をしたこと、個人ではなくグループとしての存在を考えていて「人一倍グループへの想いが強い」こと。そこから2人で語り合い、絆が深まったと。
 私感ながらこれだけ明確に的確な言葉で答えられるアイドルは少ないだろうと思う。
 早朝、振り付けのレッスンに付き合ってくれたことや、そこで思っていることを語り合えたことは、アイドルという厳しい世界で生き抜くために得た心強い同志となるきっかけだったのかも知れない。

 だが、制服のデザインが違うところから少しトーンが落ちる。

 選ばれ方が他のメンバーと違うこと、何よりオーディションに落ちた人にも失礼だし、最終審査を受けていないのはずっと自身の弱みになっていくと。その後、家族によって家に連れ戻された話しになるが、ここで私たちが知っているエピソードとは違う「真実」が家族からの言葉で語られているのも印象深い。
 更にアイドルになった経緯が平手と似ているところもお互いに共感できるところなのだろう。

 そして長崎県は平和活動が活発な街であり、ひととなりとして「人の役に立ちたい」という想いがあることもわかった。
「かわいいではなくて凄いグループ」と言われたいという言葉が印象に残ったインタビューだった。

 似たような想いを持った女子2人が出逢った。それが「欅坂46」の2トップなのだろう。

 平手さんが記事を読んで涙したというのは、同じ想いを共有、理解できるところがあり、更にねるさんの置かれた境遇に如何ともしがたいもどかしさがあるからかも知れない。が、それは本人でないとわからない。収録されている言葉の裏側の世界は当人達のみ知りえるのだから。

 余談ながら、青春ですね、と問いかけても本人が青春です!なんてイマドキは答えないと思う。
 17歳のねると15歳の平手。年も近いしアイドルとしての寿命はまだ長い。「欅坂46」と「けやき坂」を2人が牽引していく形になるのだろう。まぁ、色々あると思うけど、なんとか乗り越えてがんばって欲しい。女子21名の大所帯は様々な感情が交錯するものだ。

 最後に「世界には愛しかない」で全員が同じコスチュームになったのは喜ばしいことだと思う。(ねるさんも「かんじ欅」の正式なメンバーとなったのだから当然だろう。邪推すると運営側も1着だけ別素材というのは手間がかかるということだろうか)

おわり