69ページ ウルク側面

ウルクを俯瞰した絵は沢山存在しています。前から、後ろから、仰ぎ見る構図まで様々です。しかしながら、このように間近で山頂まで描かれた絵はなかなか見あたりません。
元々ディンギル星は水のない星(大量の水とディンギル星の特殊な構造が災いをして星が吹き飛んでしまうほどのエネルギーが生まれた)ですから、地表は砂漠と化していた事は想像に難くないと思われます(アクエリアスと同根の人類なら生物には水が必要な気もしますが、最低限の水しかなかったのでしょう)。砂漠というよりもグランドキャニオンのようにひび割れた岩肌が剥き出しです。
そして山頂には、ディンギル星人達の拠り所であり信仰の本山であった神殿があります。地球人類(というか欧米人)の祖先という設定を如実に現していますね。

このディンギル星人の起源や最期を考えるとやるせないものがあります。アクエリアスの回遊によって水没した地球から逃れディンギル星に新天地を求めたにも関わらず、再びアクエリアスの水害にあい長く住み慣れた星が消滅してしまいます。更に、生まれ故郷の地球に戻ろうと進路を向けますが、それも果たせず。ひとえにこの民族の生き様が自己中心的であり周囲のことなど一切考えない我が儘な性格に寄るところが大きく、ある意味で自業自得なんですが。
ブッダ的な思想で古代は共存共栄を提案しますが、トチ狂った大神官大総統の手によって拒否されてしまいます。「弱い女子供など滅びて当然!」と喝破していたところで、この民族は終わっていたのかも知れませんね。ただ、最期にハイパーデスラー砲で粉砕されたのはルガール総統の近くにいた戦艦ですから、生き残りが居た可能性もあります。デスラー総統が吉備団子を差し出したことを願います。