この絵の描かれた紙は、ページをよく見ていただけるとわかりますが、エンボスのかかったちょっとざらついた画用紙です。この絵はカメラでなくスキャナーで読みとりました。近年、PCを取り巻くハードウェアの環境は高性能且つ低価格化が進んでいて、ちょっと前は数十万円していたハードウェアが、数万円台まで下がっていることも珍しくありません。今回の書籍で使用したセル画や背景画の一部はスキャナーを使って読みとっていますが、水分を吸ってデコボコになっている絵も、ピントが狂うことはありません。試しに立体物をスキャンしてみましたが(顔とか手とかフィギュアとか)かなり正確に読み込んでいます。作業用のPCですら、マルチコアでCPUは2つ装備され、それぞれがハイパースレッディングテクノロジーを採用していますから実質4つのCPUが機能しているかなり贅沢な作りです(といっても今では入門機ですね)。メモリーも4Gほど積んでOSもつけて、ブルーレイの記録までできて5万円を切っているのですから、凄いものです。
最新のハードで、30年前の作品を取り扱うというのはなんとも不思議なものです。
さて、本題に戻りますが、このアクエリアスは解説の部分で「チラシに使われているものは裏焼き」と記していますが、他の資料を見ても裏焼きで使われているものが殆どでした。そして、このクイーンオブアクエリアスも、ご多分に漏れず似たようなコンセプト(淡い水彩画のようなブルー)で描かれた作品が何点かあります。微妙に表情が違っていて、一番、優しそうな表情をしているイラストを採用しました。「愛とは決して甘美なものではなく」と語りながら惑星を水没させてしまいます(ディンギル星のように大爆発してしまう星もある)。綺麗なバラには棘があるということですね。
氷のように冷たい表情の中にも、強さと優しさの同居するこの絵が一番ステキです。