83ページ 土方と古代

ロードショー別冊などではお馴染みの、古代が土方に艦長就任のお願いをするシーンですね。
ヤマトは、艦長不在のまま出港してしまったので、当然、艦長が必要になるのですが、このシチュエーションを考えついた制作陣の物語の組み立てには頭が下がります。
物語の途中から艦の責任者=艦長を乗せるというのは、なかなか難しい展開だと思います。
古武士的な土方艦長の熟慮に熟慮を重ねた末の判断。古代達を説得して地球に引き返すオプションもあったでしょうが(敵の強さを身をもって知っているわけですから)、そのまま艦を進める決断。自らの進退問題も含めての重大な責任。それらのストリーの流れを汲んで、古代を横に遠くを見つめる土方の表情が全てを物語っています。
この1枚の絵の持つ重みは「さらば~」の中にあって貴重なモノだけにカットされてしまったことが惜しまれます(と思います)。(土方の心情とバックグランドは、艦長席に着いたときの意思の表明で現れていますからカットされてしまったのでしょうね。舛田監督は、ホントばっさりと切りますね。復活篇の時もそうでした。脚本の決定稿を一旦持ち帰って、次の会議の時に自身がカットした脚本を持ってきたのですが、これが情け容赦のない切り方で、西崎監督を初め脚本家の皆さんも絶句するほどでした。私は、舛田氏がカットした脚本を、そーっとコピーして今でも隠し持っています。その理由は、後ほど)