悲劇のヒロイン、サーシャ。父である守の死を知らずに健気に古代と語り合うシーンも良いのですが、運命を受け入れて偽の地球に残るこのシーンも、サーシャの存在感を示す1枚として重要だと思います。
その他、印象に残るシーンは、ラストでスターシャの胸に帰っていくシーンですが、宇宙にセル画を載せただけではとても味気ないものです。そこで透過光と特殊処理の施されたフィルムから掲載しようと考えましたが、35mmフィルムの撮影済みフィルムは使わないという本書の趣旨に反してしまうのであきらめました。(透過光を利用したシーンで印象的に残るシーンは、今後何らかの形で本に出来ればと考えています。例えば「さらば~」では、テレサのシーンでの透過光が効果を上げていましたね。「永遠に」のラストのサーシャとスターシャも鮮やかでした。それにLDボックスでのジャケット絵も透過光が指定されていたことも忘れてはいけません。透過光はヤマトの代名詞ですからね)
サーシャは、この1作のためだけに登場した(聖総統やサーダもそうですが)主人公の存在も脅かすほどの魅力的な女性でした。ヤマトシリーズの女性を担当することとなった高橋信也氏の代表作ともいえるキャラクターでしょう。